小原流いけばな教室の紹介 くらしの中に生け花を

小原流くらしのいけばな教室 小瀧洋一 元清 南会津

花つれづれblog


「つばき」(つばき科)

木へんに春と書いて、つばき、と読みますが、いけばな花材としては春というより、やはり、12月ごろの冬の寒い時期から2月の春を予感させるあたりが一番の旬だと思います。 小原流で、”冬の椿、春の椿”と、生け方が伝承されていて、冬の椿は、花数少なく、葉も省略を厳しく枝振りを見せる様にし、春は花数多く葉も繁らせて、植物の新たな成長の季節を表現します。 ところで、「つばき」の親戚に、「さざんか」と呼ぶ花がありますが、いまだに区別がつきません。 なんとなく花が小さめで枝にたくさん花数がついているのが「さざんか」なのか、な、位の理解ですが、雪深い当地では、路地植えを見かける機会が少ないのです。 生ける環境と共に花の姿を云々するのなら、椿を見たいとすると、手入れの行き届いた料亭の庭を、さざんかなら、一人旅のひっそりとした和風旅館あたりが、似合うのではないでしょうか。

2013/02/06

「リモニウム」(イソマツ科)

 人間は通常、最初の戸籍登録から、容易に名前を変えられないものですが、植物の場合は突然替えられたりするものです。  私が、生け花を始めた頃、「スターチス」と読んでいた花材がありました。目立たない存在ではありましたが、いつもそばにいてくれたように思います。スレンダーなそして小作りな姿の君は決して主役にはなりにくいけれど、生けた作品に何か物足りないとき、必ずといっていいぐらい助け舟を出してくれたのです。あなたはほんとうに名脇役を演じ続けてくれました。  しばらく離れていた、生け花から戻ってきたとき、あなたの名前が変わっていました。いつ変わったのかはわかりません。もしかしたら、最初に呼んでいた君の名が古い名前だったのかとも思います。しかし、見慣れたはずの君の名が変わっていたのには戸惑いも覚えたのも事実なのです。  名前がどうであれ、ホント便利なハスレなし、というわけで、ほんとにいいやつなのです。いつもそばにいてくれてありがとう。これからもよろしくね。  花を生けるとき、何が大切か?、?、主材も大事、配材も大事○○。いや、いや、配材ががが大事。なのです。困ったときのカスミソウ、困ったときもリモニウム。

2009/10/09

「菊」(キク科)

 一口で菊というけれど、菊花展とかで見る大輪のものや、シオンと呼ぶ野菊の小さなものまで、色も形もいろいろですし、「キク科」という範囲に拡大すると、「ラン科」植物とならんで草木の世界を二分する様な大勢力になるのです。  その中でも中菊と呼んでいる普通の大きさのものを取り上げてみても、バラティー豊かです。生け花の花材としては、もちろん、主材にもなれる中心的存在です。その一方で、菊がお葬式で多く使われることからも、仏花のイメージもあって特に、黄色、白色系は、取り合わせに注意が必要です。
 ところで、菊花一輪というとき、実は菊の花がたくさんの小さな花の集合体であることを考えると、ランの花が多くは単体であるのと対照的で、花の進化が、両極へ引き寄せられながら多様性を拡大している様は、あたかも、進化という秩序の形成が、神の手、両手に委ねられている思いを新たにするのです。
 と、ところで、もうひとつ。菊という「漢字」を字典で調べると、<キク>という読みが、「音読み」であって、日本語読みである「訓読み」ではないことに、驚きました。中国からの訪問者が、原住民の顔をしています。

2009/09/14

「紫陽花」(ユキノシタ科)

七月になりますが、我家の路地植えの紫陽花も、そろそろ咲きはじめました。 町の中では、いたるところで見ごろを迎えた紫色や、青色、赤系の手鞠花が、目に飛び込んできます。 我家の紫陽花は、建物北側、日陰の位置なので、周りよりちっと遅めの開花となりました。 紫陽花といえば、梅雨のイメージありませんか?。特に濃い紫色には、この時期ホントすがすがしさを感じるのは、日本人の遺伝子のなせるワザでしょうか。 もっとも、栽培されているのは、明治時代、「シーボルト」が自国へ持ち帰り品種改良した西洋アジサイの逆輸入とのことなので、洋の東西を越えた、人類の遺伝子のなせるワザかもしれません。 生け花の材料としての紫陽花は、春先の芽出しの時期から秋の末枯れの時期、初冬のドライフラワー状態の季節まで、ほとんど年間通して使われる花材ですが,やっぱり一番はこの豪華な開花の時期ということでしょう。 ただし、切花にすると、しおれやすくて、「焼き明礬」を、切り口にすり込む、と云うのが、「水あげ」の経験法則のなかの、ホント>>おすすめです。 そして、もひとつ、国道289号線、旧「駒止峠」南会津町針生側赤穂原川沿い、の、山紫陽花が、これから見ごろを迎えます。これも、ホント>>お勧めです。ヨ。

2009/07/08

「花菖蒲」(アヤメ科)

5月5日のこどもの日は、ゴールデンウィークの中でも日にちの決まっている日、なのですが、同時に端午の節句ということで、「菖蒲」の日、ということに決まっているのですね。で、菖蒲花菖蒲は別物だ、という話は、Wikipediaに譲ることにして、本日は、ちょうっとマニアックなお話を書きたいと思うのです。ホンと、関心のない方は、時間の無駄になりかねませんので、ご注意を!。
>>>「花菖蒲の葉の裏表の見方について」>>>
◎>生け花の[水物]の中でも、葉の裏表について決まりのある、花菖蒲の、葉の裏表の判断が、よくわからないという話が聞かれるので、私見を述べて参考になればと思う。
@花菖蒲の葉は、植物的には葉裏だけが見えている。(葉を切り裂くように(葉表がわ)から次の新しい葉が出てくる)
A葉の一枚(一組だといろいろの葉が混じることがあるので)を、根元の方をもって水平にすると、葉先が下がるときとピンと張るときが葉の上下面(裏表)交互になる
B葉先が下がるとき、上側をB面下側をA面と云うことにすると、
CA面を手前にして垂直にすると、葉っぱは、後に撓められる。B面を手前に(A面が後)にすると手前に撓めれる
D生け花的に、A面を表、と、言うことにする(したっがてBが裏)
E主枝の後に挿す葉は表が前、主枝より水盤手前に挿す葉は裏が前(生花では、真の後すなわち(陽方)表前と前(陰方)裏前)
FテーブルにA面を上にして花菖蒲の葉を並べてみると、 {T}上面に筋(中肋)2本下面1本 {U}上面1下面2 {V}その他((2、2)(2、3)(1、1)(?、2)などなど)が、あるが、{T}のケースが幾分多いかなあ
G解説書には、筋2本が表(筋1本が裏)って書いてあったりするけど、必ずそうとも言えない。
Hそんな事で、{C}を重視すべき
I陽表陽裏(太陽に向くのが陽表)については、B面が陽表(株の外に向って葉先が外)
◎>以上

2009/05/12

「チューリップ」(ユリ科)

年度替わりのこの時期は、誰にとっても気忙しいもので、卒業進学就職転勤異動や、卒業式謝恩会送別会歓迎会などと、忙しい。そしてまたこの時期はそんな折、花束の行き交う季節でもある。子供達の年度末は、卒業と入学がワンセットになっていて、特に幼稚園保育園の卒園児には、ピカピカの新一年生までの2〜3週間は、家族中で準備に追われながらも待ちどおしい楽しい時間を過ごす事になる。そして彼等には、特にチューリップの花束が似合う気がする。チューリップは、1本でも、花束?に、見えなくもなくて、カスミソウでも加えれば一人前の顔をするのが嬉しい。生け花花材としては、葉っぱの外し方にコツが要るが、存在感があって便利な花だ。 チューリップの絵を書くとなると、ハート形を重ねた様になりますか?開きかけはそうですが、暖かい室内に置いておくと、どんどん大きく開いてきて、何というか間の抜けただらしない姿になってしまうのです。それが、小春日和の、子供のお昼寝の姿に重なってしまいます。窓をちょっと開けてやって冷たい空気にあててやると、またハート形に戻るのは、可愛いかぎりです。あるいはまた、開ききったチューリップ姿に欧州オランダの風車の羽を重ねあわせてみたりもします。
2009/04/02

「桜」(バラ科)

3月に入ると、毎年のことながらテレビ新聞での話題が取り上げられ、桜前線、開花予想、桜祭りなどなど5月の連休あたりまで断続的に続きます。南会津町でも、4月5月を挟みながらの1週間、ソメイヨシノが一斉に咲きそろう恒例行事に心わくわくするのは、日本人の証でしょうか?いけばなの花材としても、花木(カボク)の順番に組み込まれていて、そろそろ、登場しそうです。 「さくら」といえば、もうひとつ忘れてならないのが、さくらの刺身こと馬肉刺しですが、近くの山桜を眺めながら、からし味噌を醤油でといで会津坂下の親戚が送ってくるロースの切り身を数切れ、これまた地元の冷酒と共にいただく、という、こだわりの恒例行事を今年もかなえられればいいなあと、雪の残る周囲の山々の新芽の気配を感じながら、思い描いています。
2009/03/06

「ばら」(バラ科)

好きな花の名前をいくつか挙げていくと、「ばら」は、何番目位に出てきますか?季節を問わず、いいえ、季節を無視するかのように一年中花屋のガラスケースに収められていて「菊」と並んで、なくてはならない「花」に違い有りません。季節感を大切にする生け花の花材としても定番中のド定番として目にします。「ばら」「バラ」「薔薇」あるいは「ROSE」と書き分けていくと、生け花に似合うのはどれでしょうか?「伝統日本文化」というカテゴリーに生け花を押しこめる気は無いけれども、カタカナ横文字はちょっとなあ、薔薇は気取りすぎ?ということで、「ばら」を選択するにご異議ございませんでしょうか。締め切りなしのペース配分で、花をキーワードに据えながら気の向いた時に思いついた事などをつづっていきたいと思いますので、あまねく、アクセスお待ちしています。
2009/02/19

お知らせ

サイトオープンいたしました.
まだ、一部編集中でありますことをお詫びします.
2008/08/18

花つれづれ

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